東村山といえば「東村山音頭」を連想する方も多いと思いますが、実は、東村山には国宝「正福寺」を筆頭に多くの文化財があります。
中でも「徳蔵寺」とその保存館には、国指定重要文化財「元弘の碑」をはじめ、たくさんの文化財が保存・展示されています。

今回は、こちらの「徳蔵寺」と「徳蔵寺板碑保存館」をご紹介します。
「徳蔵寺」は、西武新宿線「東村山駅」西口から徒歩で15分、グリーンバスで4分程の東村山市諏訪町にあります。
東村山駅方面から志木街道を所沢方面に進み、久米川辻の交差点にさしかかると「元弘の碑」と書かれた大きな看板が目に入ります。ここを左折します。

「元弘の碑」とは、銘文に新田軍の将士三人の討死が刻まれた石碑です。
この銘文により、『太平記』に記された倒幕のための戦い(府中分倍河原の戦い、相州村岡の合戦など)が史実として実証されたことで知られています。
鎌倉幕府を滅ぼした武将として名高い新田義貞は、現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場する「新田殿」の子孫にあたります。
興味のある方も多いのではないでしょうか?
別名「ちらかし寺」とも言われるわけは?
久米川辻から300メートルほど進むと右手に立派な建物が見えてきます。
校倉(あぜくら)造りの「徳蔵寺板碑保存館」です。
建物の前は広い駐車場になっており、その隣に山門があります。

山門をくぐると奥に本堂が見えます。
春は桜、秋には紅葉がみられる美しい境内です。

左手にあるのが「永春庵」です。
もとは近くの八国山中腹(将軍塚の南)にあったものを当時の住職の住まいとして移築。
その後、一緒にあった「元弘の碑」もこちらに持ってこられたのだそうです。
当時は碑の価値がわからず、立派だという理由で供養していたということですが、先々代のご住職の時にその価値が判明し、国の重要文化財に指定されることになりました。

先々代のご住職は、考古資料や板碑などを積極的に収集した方で、出土した土器や板碑などが本堂に雑然と並んでいたことから「ちらかし寺」との異名があったそうです。
これらの収集品は、こちらの「徳蔵寺板碑保存館」に保存・展示されています。
「武蔵野三十三観音霊場」のひとつ
「徳蔵寺」は、「武蔵野三十三観音霊場」の7番、「徳蔵寺本尊」は「狭山三十三観音霊場」の11番、「永春庵」は同じく「狭山三十三観音霊」の12番となっています。
霊場巡礼というと四国のお遍路さんが有名ですが、観立菩薩を本尊とする寺や堂を参拝する巡礼を「観音霊場巡礼」といい、首都圏だけでも40以上の霊場があります。
私が訪ねたのは休日の午後でしたが、この日も巡礼に訪れた方が4組ほどあったそうですよ。



そのまま進むと左手に「六地蔵尊」と「正位寺跡地蔵尊」がまつられています。
その奥には供養宝塔が見えます。

こちらが正面に見えた本堂です。立派ですね。
「徳蔵寺」は、福寿山と号する臨済宗(禅宗)大徳寺派のお寺です。
創立は永禄3年(1560年)、開山年は江戸時代初期の元和中(1615~1624年)とされています。

こちらのインターホンを押すとご住職が受付をしてくださるので、拝観料を支払います。

ここでは、徳蔵時のパンフレットや武蔵野観音巡りのマップをいただくことができます。

また、先代のご住職が記した「徳蔵寺の歴史」も閲覧することができます。
カラーの図や写真が多く、とてもわかりやすくまとめられている本です。
新田軍の進路と現在の写真を見比べながら、鎌倉時代にタイムスリップするのも楽しいですよ。

それでは、保存館に入ってみましょう。こちらが入口です。

170基におよぶ板碑の展示はまさに壮観
1階の展示コーナーには、境内および近郊で出土した「土器」や「石斧」などが展示されています。


狭山茶を保存した「茶がめ」など、この地域ならではの展示もありました。

二階に上がると壁全面におびただしい数の板碑が。その数なんと170基。


現ご住職によると、保存館には、欠けた出土品や解読不明の板碑など、まだまだたくさんの出土品が保管されているそうです。

こちらが国指定重要文化財の「元弘の碑」。
銘文の詳しい説明もあります。


こちらは「新田義貞公鎌倉稲村ヶ崎にて龍神に献刀の図」。

展示室の中央には、「五輪塔」「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」などが展示されており、それぞれに詳しい説明が添えられていて、非常に見応えのある展示室となっています。

四季折々の美しく厳かな佇まいをみせる境内
「徳蔵時」の境内にはさまざまな要素がぎゅっと詰まっていて、どこを切り取っても絵になります。
季節ごとに異なる表情を見ることができますよ。




「徳蔵寺」のホームページには「インドアビュー」というコーナーがあり、そちらで境内をご覧いただくことができます。
また、徒歩5分程のところに「久米川古戦場」「将軍塚」がありますので、足を伸ばしてみるのもよいですね。
最後におまけ。
「徳蔵寺」のバス停前に「マドンナ」というパン屋さんがあります。
こちらの「塩あんぱん」もおすすめですので、散策のお供にぜひどうぞ。

徳蔵寺
住所:東京都東村山市諏訪町1-26-3
TEL:042-391-1603
徳蔵寺板碑保存館
拝観時間:9:00-17:00
拝観料:大人(高校生以上)200円 子供100円
休館日:毎週月曜日
アクセス:徒歩 西武新宿線「東村山駅」西口から15分
グリーンバス:東村山駅西口から4分「徳蔵寺」停留所下車
車:東村山駅方面より久米川辻交差点を左折300メートル
(正面駐車場、第二・第三駐車場あり)


















