今回は、東村山にある「豊島屋酒造」さんの酒蔵見学にやってきました!
こちらの見学は、平日のみ、1日3回(10時~、13時~、15時~)、所要時間は1時間程度となっており、予約が必要です。
見学料は一人550円(税込)で、うれしい試飲付き!です。
マンツーマン見学、個別対応の場合は1100円(税込)となっています。

「麹を使った伝統的酒造り」は、今年10月「登録無形文化財」に登録認定されたばかり。
将来的にはユネスコの無形文化財への提案を視野に入れているとのことで、今回の見学の期待も高まります。
「豊島屋酒造」ってどんな蔵元?
豊島屋の創業は1596年、安土桃山時代と江戸時代を跨ぐ慶長元年で、東京で最も古い蔵元です。また「明治神宮」と「神田明神」に御神酒を納める唯一の酒蔵でもあります。
初代豊島屋十右衛門が、江戸の神田鎌倉河岸で酒屋兼一杯飲み屋を開いたのが始まり。
その様子は歌川広重の「絵本江戸土産」にも描かれています。
絵には「二月中旬、豊島屋が白酒を売り出す時は広場に人の山ができ、江戸の名物となっている」とあり、当時の人気ぶりが伺えます。

「絵本江戸土産」(歌川広重)国立国会図書館デジタルコレクションより
豊島屋がルーツとされているものには、先述の白酒をはじめ、居酒屋、結婚式の樽酒など枚挙にいとまがありません。豊島屋には日本の文化をつくってきた歴史があるのです。
豊島屋はその後「豊島屋本店」として東京都千代田区に置かれ、昭和初期に「豊島屋酒造」が醸造元として東村山市に設立されました。

手をかけ、対話をして、銘酒ができるまで
見学の案内してくださったのは、営業部の高橋拓さん。
まず、酒蔵の正面にある待ち受けタンクの前で、豊島屋の歴史についてお話を伺いました。

こちらのタンクに入っているのは仕込み水。地下150mにある石灰質の層から汲み上げ、逆浸透濾過した水を使用しているとのこと。東村山の水が使われているんですね!
1⃣釜場:精米→洗米・浸漬→蒸し→
次は建物の中へ。こちらは釜場と呼ばれ、酒米(酒用のお米)の洗米や蒸し、酒の火入れをする場所です。

ちょうど蔵人の方が、建物の上の方で時計を見ながら洗米しているところでした。
酒質やお米の状態、その日の気温などを見ながら、水分量が杜氏の求めるものになるよう調整し、0.1%の精度で洗米しているとのことでした。

こちらは大きな蒸し器。

巨大な和釜。今は、火入れをする時に使われているそうです。
酒造りの稼働期は10~4月。
こちらの酒造では、杜氏を含め6人の蔵人が心を込めてお酒を醸しているとのこと。
マニュアルはないので、見て、真似て、感じて覚える。米、麹、水など生き物が相手なので、その変化に合わせ、組織も有機的に動くのだそうです。
そのためには蔵人の誰もが全体を把握していなければならず、チームワークがとても大切とのことでした。
2⃣麹室(こうじむろ):製麹→
写真の場所は室前という所で、左側にある木製の二重扉の中が麹室です。
中は見られませんが、室内は35~40℃に保たれていて、ここで「黄麹」という麹菌を繁殖させます。

突然ですが、みなさんは「国菌」というものがあるのをご存じですか?
日本の国花は桜、国鳥はキジ、では国菌は?
実はそれがこの麹菌なのだそうです。
日本酒はもちろん、日本の食卓に欠かせない味噌、醤油、みりんなどはすべて麹菌を利用して作られています。それを考えると国菌、納得です。
3⃣酛場(もとば):酒母造り(酛立て)→
奥に並んだ桶(タンク)の中で、酒母と呼ばれる酵母が大量に培養されています。

「お酒は音楽に似ている」と高橋さん。お酒を介することで物事がうまく運ぶなど、個人では必要なくても、集団に対して効果を発するところが似ている、と仰っていました。
お酒にも音楽にも人を動かす不思議な力があるのは確かですね。
4⃣仕込み蔵:もろみ造り(仕込み)→

いよいよ仕込み蔵へ。はしごのような階段でタンク上の階に上ります。

8000L余りの大きさのタンクの中には、もろみ(米、麹、酒母、仕込み水を入れて発酵させた、日本酒になる前段階のもの)が入っています。 ここで仕込みと発酵が繰り返されます。
ワインはブドウが自ら発酵してくれますが、日本酒は手をかけなければ発酵してくれません。日本酒は世界一手間のかかるお酒なのだそうです。
ヨーロッパの人は、日本酒は人の味がする、と仰るそうですよ。

タンクの中を覗くと表面がふつふつと。発酵の音もしていました。
5⃣圧搾(絞り)→
発酵を終えたもろみは、圧搾機で搾られ、酒と酒粕に分けられます。
絞ったタイミングにより、お酒には異なる名称がつきます。
もろみから自然と流れ出てくるものが「あらばしり」、少し加圧してから出てくるものが「中取り」、さらに圧力をかけて最後に出てくるものが「責め」です。
ラベルに表示のないものは、この三つをバランス良くブレンドしたものなのだそうです。
6⃣貯蔵蔵:貯蔵
築120年の貯蔵庫。中はひっそりとうす暗く、空気もひんやりとしています。

お待ちかね、試飲タイム!
みなさん、お疲れ様でした。

ここからは場所を直売所兼イベントスペース”KAMOSHI no BA”に移して試飲タイムです。
試飲にはこちら↑を出してくださいました。お酒もみりんも味わえます。
お酒に詳しい方もそうでない方も、ここでは遠慮せず率直に感想を伝えましょう。
お口に合いそうなお酒を選んでくれますよ。
飲み方のアドバイスもいただけるので、いろいろ質問してみましょう。
日本酒の奥の深さを学べます。

こちらは試飲にもあった、先月発売されたばかりの新酒。
四代目の田中孝治さんに特徴を伺いました。
- 金婚「純米にごり酒」
優しい甘味とコクを表現したお酒です。
この味わいを出すために、今年から純米造りに変更しました!
- 金婚「しぼりたて無濾過生原酒」
パンチの利いた飲み応えある味わいのお酒です。
今年は味わいとキレを両立しました!
田中さんは「豊島屋酒造」の人気ブランド「屋守」の生みの親でもあります。
27歳の時、人生のターニングポイントを機に蔵を継ぐ決心をしたのだそうです。
広島の酒類総合研究所で研修を受け、仲間が自分のお酒を開発するのを横目に見ながら、自分も全国に流通できるお酒を開発しようと試行錯誤の末できたのが「屋守」。
豊島屋を守るという意味を込めて命名したそうです。

お酒の好きな人だけでなく、お酒が飲めない人や子どもたちにも日本の食文化や醸造文化の素晴らしさを知ってもらいたいと、さまざまな仕掛けやイベントを企画していらっしゃいます。
若い人たちには「地元に酒蔵があるから、成人式は地元で迎えたい!」と言ってもらいたいですよね、と想いを語ってくださいました。
新しい酒蔵のカタチ、今後も要チェック!
「豊島屋酒造」の酒蔵見学、いかがでしたか?
みなさんもぜひ参加してみてください!
最後にとっておきの情報をひとつ!
現在、大きなイベントは中止となっていますが、このままコロナの状況が落ち着いていれば、年明けに「夜の酒蔵見学」を復活させたいそうですよ!
興味のある方は、豊島屋酒造のHP、インスタグラムをチェックしてくださいね!
豊島屋酒造株式会社
住所:東京都東村山市久米川町3-14-10
アクセス:西武新宿線「東村山駅東口」より、府中街道を所沢方面に進み、徒歩約20分
車の場合、中央道国立ICから約50分、関越道所沢ICから約30分
TEL:042-391-0601(酒蔵見学の申し込みはお電話かHPから)
KAMOSHI no BA 営業時間:平日 9:00-17:00
日曜・祝日 13:00-17:00


















